幸せです

 先日、ある取引をしていた際、メッセージに「○○いただけると幸せです」という一文が添えられていた。「幸せ?何のことだ?」と一瞬考えたのちにある可能性が浮かぶ。


「まさか、“幸いです”の意では?」と。


いや確かに字面は似ている。というか同じ漢字ではある。「幸いです」を「幸せです」と見間違う可能性は十分にあり得る。だが、読みが全く違う。送り仮名も違う。「幸せです」と入れてくるということは、「幸いです」と添える場合、パターンを理解しているということである。しかし、「幸せです」と相手は入れてきた。

 考えられる可能性としては普段から「い」を「せ」と認識しているのか。他人が「幸いです」と添えてきた時、「この人、送り仮名間違えてんじゃん」とでも思っているのか。

 奇妙な一文を添えてきた相手だったが、その後のやり取りは特段問題なく進んだ。だが、「幸せです」の一文で自分は色々と疑り、警戒態勢を取り、と余計な力を使った。

相手を警戒させないためにも正しい文章の重要性を思い知った一件であった。