Excel方眼紙

 過去Excel方眼紙が原因で追い詰められ病院送りになったことがある(主に精神的な方で)。それだけが原因とはいえないが、諸々の負荷の一端を担っていたのは間違いない。
 一般的に業務効率を落とすとされるExcel方眼紙が何故こうも蔓延しているのか。原因としては2つ考えられる。一つ目が業務の立ち上げ、体系化の際に専門家に依頼、あるいは相談なしに我流でやってしまったこと。2つ目がその立ち上げ時に確立された方法(Excel方眼紙)が、他の業務にも展開され、体制の根幹に食い込んでしまい、排除を困難としたことである。
 前者は今なおITに通じた人材を内部に置かない現職場の状況を物語っている。正直、自分も趣味の延長線上でパソコンを扱えるだけであり、専門的な教育を受けたわけではない。Officeソフトですら完璧に扱える人間はほとんどいない。そんなITリテラシーが低い環境でもあるため、管理のしやすさなどは二の次で見栄え重視のExcel方眼紙が発生したのは当然とも思える。
 後者はExcel方眼紙の排除を困難とし、未だ拡大を止めきれない理由でもある。どんなにクソで効率が悪かろうと、体制の根幹に食い込み、影響が広範囲に渡れば、その業務フローを変えるのは困難を極める。その困難に挑み、病院送りになったのが自分である。
 と、まあ一人で挑むにはあまりにも大きすぎる問題である。加えて理解者、賛同者がいない。直接的に品質を上げるわけでもなければ、収率(工程性)を上げるものでもないため、短期的な利益は少なく上も下の人間も興味を持たない。とはいえ、やれグローバルだ、ジャストインタイムだといわれる時代。Excel方眼紙での管理は既に頭打ちと見ている。いずれ管理技術が追いつかなくなり、生産、品質と問題が出るのは時間の問題。今後も地道に活動を続けていくつもりではある。
 Excel方眼紙の排除が完了するのが先か。それともExcel方眼紙が原因で事業が破綻するのが先か。今度は死なない程度にやっていこう