時給1000円

 現実の最低賃金は別にして、「人ひとりを1時間拘束すれば、1000円の人件費が発生する」という思想の下に生きている。1日ともなれば、1万円を覚悟する。

 この思想に至った原因は過去の節約生活にある。かつての自分は食事は自炊。買物は安い店を使う、といった具合に節約に努めていた。だが、自炊は調理時間を取られ、買い物は移動に時間を取られ、と時間的な消耗が高く、余裕を欠いていた。そんな生活を続ける中、徐々に仕事の負荷が上がっていき、心身とも生活に対する余裕がさらになくなっていった。そんな状態にも関わらず、一度決めたことは断固として押し通す性格から節約生活は続いた。結果、一度精神が破綻した。

 立て直しをしていく中で、食事は冷凍食品を買ったり、カットサラダを買ったり、弁当を買ったりと省力化が図られていった。買物に関しても、基本的に通勤経路のスーパー、コンビニを使ったりで、わざわざ安い店に時間をかけて行くことも無くなっていった。そんな感じで負荷を減らしていくことで徐々に回復していった。

 手間を省く、楽をすれば、精神的な負荷は下がるが、それだと浪費が激しくなり、それはそれで経済的に生活が成り立たなくなる。そこでその判断基準として使っているのが、冒頭の「時給1000円」である。「1時間かけて1000円以上の節約、あるいは利益が見込めないなら、やる価値はない」と判断する。簡易的な指標として使えるため、都度電卓を叩いて細かく計算する必要もなく、精神的負荷と経済的負担のバランスを取れるためなかなかに便利である。またこの基準、他人に何かを手伝ってもらったり、依頼したりする場合にも使っている。そんなコスト感覚で普段は生きている。

 時給1000円の価値があるか否か。節約をするなら、ぜひ試してもらいたい。